特集 vol.3

ファッション・デザインの法的保護

昨年、デザインの盗作・模倣に関する話題が世間を賑わせたことは記憶に新しいと思います。パロディやオマージュ、インスパイアといった事柄も含め、何がオリジナルで、何がパクリにあたるのか? 著作権侵害の線引きをめぐるそれらの問題は、見方によって意見が分かれ、たいへん判断が難しい。しかしだからこそ、「デザインとは何か?」ということを改めて考え直す機会にもなったのではないでしょうか。

ファッションの分野においても、意匠権や権利保護の問題は、喫緊に取り組むべき課題として近年注目されています。そうした状況を鑑み、特集Vol.3「ファッション・デザインの法的保護」では、2015年にニューヨークのFIT美術館で開催された「Faking It」展と、「ファッションと法律」をめぐる日本での取り組み事例を紹介することで、ファッション・デザインの複製問題と権利保護の問題について考えてみたいと思います。

「Faking It」展では、ファッションの歴史とは「模倣」と「複製」の歴史であったという事実が提示されています。流行のデザインの参照と引用、公認のライセンスコピー製品と模造品、オマージュやパロディ、コラボレーションによるデザインの応用、そして非公認の偽造品…。それらは、良い面と悪い面を合わせ持ちながら、ファッション・デザインを発展させてきたことは間違いありません。

ファッション・デザインとは何か、改めて考えてみませんか?
 
 


  • ファッション・デザインの法的保護 File-04
    ファッションの権利はどのように守られるのか?
    金井倫之(知的財産教育協会)
    「ファッションと法律と言うと、難しいイメージがついてしまうかもしれません。しかし、これまでは法律の問題に頓着せずに済んできたとしても、今後も同様に過ごせるとは限りません。アメリカやヨーロッパがファッション・ローに力を入れるのであれば尚更、日本でも今から準備をしておく必要があるのではないかと思います。」
  • ファッション・デザインの法的保護 File-03
    ファッションの創造性を法は高められるか?
    永井幸輔 (弁護士/Arts and Law)
    「デザインが権利によって適切に守られることは重要ですが、権利が強く主張され過ぎることで、創造的な活動が萎縮することもあります。ファッションと法律を考えるときには、そのバランスも考えていく必要があるのではないでしょうか。」
  • ファッション・デザインの法的保護 File-02
    ファッションにおける「偽物」 ―「Faking It」展レポート
    小松隼也(弁護士)
    「本展覧会の最大の特徴は、デザイナーやブランドの許可なく販売された模倣品のみではなく、正式に許可を得たうえで制作されたライセンス製品の展示が充実している点にあります。」
  • ファッション・デザインの法的保護 File-01
    「Faking It」展 ―オリジナルとコピー、そして偽造品
    アリエル・エリア(FIT美術館アシスタントキュレーター)
    「今回の展覧会はファッションにおけるコピーの公認と非公認の歴史を探求するものです。(中略)コピーの曖昧な部分に光を当てるとともに、公認から非公認にまでおよぶ様々なレベルの複製品の存在を知ってもらいたいと思いました。」
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