column 005

廣瀬友理(大学生/READY TO FASHION )

現在某4年制私立大学に在学しており、卒業を間近に控えたこのごろ妙に大学の後輩から相談を受けることが多くなった。内容は「就職活動について」。就職活動が今年から原則4月に解禁となり、迫る解禁日に対して少しでも何か行動をしておきたい、とりあえず就活経験者の知り合いと話をして不安を解消したいといったところだろうか。自身も昨年、時期こそ違うが同じ境遇にあったのでよくわかる。

私は4月からアパレル企業で働く予定なので、アパレル企業ならではの面接での質問、着ていく服、どう答えればウケがいいのか・・・等を質問されることが多い。それらに次いで多いのが、実際ファッション業界にはどんな仕事があるのか、何をしているのかという質問である。聞けば、ファッションの仕事に対するイメージも漠然としか持っていなく、「プレス」「バイヤー」等と聞いても、雑誌やテレビドラマで得たぼやっとした仕事内容が浮かぶ程度で本当はどのようなことをするのかがイマイチはっきりしないと言う。

確かにファッションビジネスの授業を実施している4年制大学はまだほとんどなく、アルバイトやインターン等に参加をしない限り、その実態を知るのは難しい。そのインターンも大手リクルートサイト経由で募集しているものは実務ではなく、インターン専用プログラムであることも多いと聞く。正直、私自身も内定先での仕事や、学生時代ウェブマガジンのライターを務めた経験から少しはファッション業界の内部を覗き見程度であれ、見てきてはいるつもりだが、まだまだ認識が曖昧な部分がある。

近年、ファッション業界の人手不足が深刻だ、4年制大学からの志望者が減少しているという話が度々ニュースサイトでも上がっていたりするが、何をやっているのかがわからない、かつ他業界より雇用条件が良いわけでもないところに学生、とくに専門的にファッションを学んできていない学生たちが最終的に就職を決めるはずがないのではないだろうか。

そのような状況に対し何か行動はできないかと考え、「ホンネで学生とファッション業界人が語れる場」の創出としてREADY TO FASHIONというイベントの企画をしている。ただイベント一度で好転するわけではないと思っているので、長期間かけてじっくりと向き合っていかなければいけない問題だと感じている。

廣瀬友理(大学生/READY TO FASHION)
2015/2

   

READY TO FASHION:
日本のファッション業界において「産業と学生を繋げる」というコンセプトの下に発足したプロジェクト。
Facebook: https://www.facebook.com/readytofashiontokyo
twitter: @RTF_tw