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竹内里紗(ブランドPR)

大学時代は、西洋美術史を専攻していました。その中でも絵画に描かれる服飾の移り変わりに興味をもち、服飾史を研究するようになりました。ファッション関連の書物を読みあさり、展覧会やトークショーに参加する学生時代を過ごしていました。ファッションを自分のライフワークにしたいと決断して大学卒業後は繊維商社に入社しました。

最初は、企画&マーケティング部に配属され、その後M&Aの部署を経て現在は、ブランドPRを担当しています。学生時代は、アカデミックな視点でファッションのストーリーに魅了されていました。しかし、入社してビジネスとしてファッション業界の歯車の一員になった時、学生時代に思い描いていたファッションに対する視点との間にギャップを感じました。ビジネスとしてファッションと向き合いつつも、アカデミックな感覚は忘れたくないと思い、今でもファッションの研究を続けています。

幸いにもブランドPRという仕事は、ビジネス的な視点とアカデミックな視点両方を必要とします。ブランドの魅力を多くの人に伝えるために、ブランドのストーリーを発信していく仕事です。ブランドは、モノではなく付加価値です。空気に値段をつけて売るようなものです。目に見えないオシャレな空気感をクリエイトし、時代にあわせて見せ方を変えて、ブランドストーリーを語ります。時にイメージヴィジュアルやPV、コラボレーションやイベントを通じてブランドを視覚化してお客さまへお届けします。

モノがありふれるこの世の中で、モノだけで差別化をするのはとても難しいです。一方で世の中のもの全てに名前があり、全てがブランドになりえます。その中で価値のあるブランドにスポットライトを当てるのが、ブランドPRの仕事です。
これからも、ファッションをライフワークの軸にもち、ファッションを語る人になっていきたいです。

竹内里紗(ブランドPR)
2015/2