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「さすてなぶるファッション™ 006
多様性とは?LGBTQを学ぶ、ファッションの観点からも」を迎えるにあたり

当イベントを迎える前にお伝えしたいことがあります。LGBTQとサステナビリティ(持続可能性)の関係性についてです。サステナビリティと検索すると、企業の取り組みとしてLGBTQへの取り組みがヒットします。なぜLGBTQが企業のサステナビリティの文脈で語られるのでしょうか。

正直なところLGBTQを「サステナビリティ」という言葉のみで語ることには腑に落ちないところがあります。「サステナビリティ」という言葉だけでは関係性が見えにくいからです。それではなぜ、「さすてなぶるファッション」としてLGBTQを取り上げたいのかについて、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)を取り上げてお話しします。

SDGsは2015年9月、国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール、169のターゲットから構成されています。ゴールの5番目にジェンダーの平等が掲げられているものの、SDGsにはLGBTQの表記はありません。この問いに対して、当時の国連事務局長は次のように語っています。「LGBTは『誰も置き去りにしない』というSDGsのモットーに含まれている」と。SDGsにはLGBTQが含まれるということです。その背景には人権問題があります。

国連広報センターによると、LGBTQの方たちは年齢や地域に関係なく、世界各地で甚だしい人権侵害を受けているとあります。さらに、「およそ76カ国において、個人の同意に基づく同性愛が差別的な法律で犯罪と定められ、個人が逮捕や迫害、投獄され、さらに少なくとも5カ国では死刑判決さえ受けかねない状況に置かれています」とあり、犯罪であり死刑判決さえありえるという状況です。世界人権宣言とその後に合意された国際人権条約に基づく国際人権法を照らし合わせると、LGBTQの方たちへの暴力や差別は人権の侵害にあたるのです。
(国際連合広報センター https://www.unic.or.jp/activities/humanrights/discrimination/lgbt/

博報堂グループのLGBT総合研究所が実施した調査によると、全国の20〜59歳の個人、8万9,366人を対象に実施した調査の結果、ストレート92.02%、レズビアン1.70%、ゲイ1.94%、バイセクシャル1.74%、トランスジェンダー0.47%、Aセクシャル1.40%であったとあります。LBGTQに該当する%は“8%”となります。日本の人口が約1億2,600万人ですので、約1,008万人となります。LGBTQそれぞれを理解した社会になったほうが、経済的にも社会的にも持続可能性が増すと言えないでしょうか。
(博報堂 https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/27983/

当会を通じてLGBTQを認知し、それぞれを理解してもらえたらと思っています。LGBTQそれぞれは違います。すべての人、一人一人が違うということでもあります。この多様性から、われわれ一人一人がファッションと向き合うことで、ファッションをより楽しめる社会になるのではと考えます。皆さん、本当にファッションを楽しめていますか。既存のドレスコードに疑問はありませんか。

さらにもう一つ、LGBTQの中にも格差があることも知ってほしいです。この格差とは、男女格差です。この男女格差を考えることを通じて、繊維産業の持続可能性についてもアプローチしていきたいと思っています。
 
それでは皆さまのご来場楽しみにしております。

   
2019年10月27日(日)14時開催
さすてなぶるファッション™ 006
多様性とは?LGBTQを学ぶ、ファッションの観点からも
http://fashionstudies.org/studies/sustainable-fashion-006/
   

*文:さすてなぶるファッション™ 006 企画担当 山口大人(MASATO YAMAGUCHI DESIGN OFFICE)

   

世界人権宣言
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/udhr/1b_001.html
第一条
すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。

国際人権規約
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/index.html