Think of Fashion 002

keisuke kanda 「ガーリー」の突然変異

講師:小澤京子(埼玉大学非常勤講師)

2011/11/25

日本のサブカルチャーの特徴とされる、「kawaii」という形容、ファッションにおいても、この国では「ガーリー」であることが価値を持ち続けてきた。

その系譜の中でも異彩を放つのが近年若い女性たちの間でカルト的な人気を誇るデザイナー「keisuke kanda」。
主に1970年代以降のいわゆる「ガーリーファッション」の流れを踏まえつつ、keisuke kandaの何が「新しい」のか「特別」なのかを取り上げる。

そのキーワードは、「記号的なもののパロディとしてのリボン」「着られる保健室」「マンガチックなアヴァンギャルド」等。
keisuke kandaという「特殊な例」について語ることを通して、「ガーリーであること」が日本のサブカルチャーの中で持ってきた意味もまた、浮かび上がってくるだろう。

   

講師プロフィール

小澤 京子(おざわ・きょうこ)
建築・都市のイメージ分析と並行して、衣服と身体の関わり合いについて考えたり、ファッション批評を手掛けたりしている。
単著に『都市の解剖学─建築/身体の剥離・斬首・腐爛』 (ありな書房、2011) 、最近の学術エッセイに「シアタープロダクツの方法論―アーカイヴァルな引用とスペクタクルのメタ構造」『fashionista』第1号、2012年、「映画の基盤を掘り崩す」『ユリイカ』2012年8月号(特集:クリストファー・ノーラン)、青土社など。