神戸ファッション美術館で2015年10月17日(土)-2016年1月12日(火)に開催される「日本衣装絵巻-卑弥呼から篤姫の時代まで」にあわせまして、会期中の11月3日(祝・火)に同美術館内の第1セミナー室にて、日本の伝統的な民族衣装である着物を研究者及びキュレーターの4氏から4つの議題を通して時代を追いながら多面的に考察するシンポジウムを行います。
発表内容
「日本衣装絵巻-卑弥呼から篤姫の時代まで」展でたどる”きもの”の源流
次六尚子 神戸ファッション美術館学芸員
現代では当たり前のように日本人の伝統衣装と考えられる”着物”。
それらが誕生する瞬間と以前以後の復元女性衣装で「和様の美」の変遷をご覧いただく本展をご紹介します。
大正末から昭和初期のファッション-着物文化にみる「洋」の受容-
青木美保子 京都女子大学家政学部准教授
大正・昭和初期のファッションを「洋装と和装」、「和服に洋風小物・洋風ヘアスタイルなどの和洋折衷」、「和服にみられる洋風の模様」など「洋」と「和」の視座から考察します。
輸出された二つのキモノ-中原淳一と中村乃武夫の試みを中心に-
安城寿子 服飾史家/大手前大学ほか非常勤講師
1953年と1960年に欧米人の目を強く意識して輸出された二つのキモノがありました。前者は中原淳一、後者は中村乃武夫によって手がけられたものです。これらのキモノはどのような意図のもとに生み出されたのか?誕生の背景を探りながら、そこに実現された新しいキモノの形について考えていきます。
現代における着物文化およびキモノスタイルの受容について-欧州の事例を中心に-
小野原教子 兵庫県立大学准教授
一体着物って今どんな風に受容されているの?スタイルとして英国での受容の状況を中心に現代のキモノおよびキモノスタイルについて考察します。
11月3日の文化の日に、日本の伝統的な衣装である着物のことを考えてみませんか?今、私達が何気なく着ている着る物に対する見え方が変わってくるかもしれません。
皆さまのお越しをお待ちしております。
登壇者プロフィール
龍谷大学国際文化学部卒業、Kingston University, London(デザインミュージアムと共同) MA Curating Contemporary Design 修了。国立民族学博物館勤務を経て現職。主な企画に「世界のファッションー100年前の写真と衣装は語るー」展(2014)、服飾文化セミナー「ファッションの産地」(2015)など。
青木 美保子(あおき みほこ)京都女子大学家政学部准教授
京都女子大学家政学部被服学科卒業 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程修了 博士(学術) 専門分野:近代日本服飾史 主要論文:「大正・昭和初期の服飾における流行の創出‐髙島屋百選会を中心に‐」『デザイン理論』No.44(2004)、「大正・昭和初期の着物図案‐松坂屋の標準図案を巡って‐」『風俗史学』No.34(2007)、「京都における染織工芸の近代化‐古法「墨流し」の改良を中心に‐ 『風俗史学』No.53(2013)
安城寿子(あんじょう ひさこ)服飾史家/大手前大学、横浜美術大学ほか非常勤講師
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。
共著に、『ファッションは語りはじめた』(フィルムアート社、2011年)がある。
小野原教子(おのはら のりこ)兵庫県立大学准教授
京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期過程修了。博士(人間・環境学)。旭化成繊維マーケティング部勤務、ロンドン大学UCL名誉研究員、ヴィクトリア&アルバート美術館客員研究員を経て、現職。単著に『闘う衣服』(2011)
詳細
日時
2015年11月3日(祝・火)15時30分~18時頃
会費
一般 前売2,000円(Peatix、他にて) 当日2,200円
学割 前売1,000円(Peatix、他にて) 当日1,200円
会場
神戸ファッション美術館 第1セミナー室
神戸ファッション美術館
〒658-0032 神戸市東灘区向洋町中2-9-1
TEL 078-858-0050 FAX 078-858-0058
http://www.fashionmuseum.or.jp/
お申し込み先
contact@fashionstudies.org
「Think of Fashion in Kobe 着物」
への参加の旨とお名前、ご連絡先(メールアドレス)、ご所属を明記してお申し込みお願いします。
※前売はPeatixにて承っております。前売で申し込まれますと払い戻しはできませんのでご了承くださいませ。また申込メールもあわせてお願い致します。Peatix以外で前売をご希望の方は、メールをいただきましたら、詳細をご連絡させていただきます。
Think of Fashionは人々の装いについての文化や社会現象などを考えていく会です。
http://fashionstudies.org/think-of-fashion/
上記のサイトに過去の回のことが載っております。
Think of Fashion in Kobe
主催:Fashion Studies
共催:神戸ファッション美術館