アーカイブ視聴実施中〜2023年12月31日
2023年2月24日に出版社・DU BOOKSより刊行された林央子著『わたしと『花椿』』の刊行を記念するトークイベントを開催します。
1990年代の紙雑誌黄金期に資生堂の企業雑誌『花椿』の編集者として活動し、その後フリー編集者として個人雑誌『here and there』を約20年にわたり継続して刊行し続けている『わたしと『花椿』』著者の林央子氏は、当時パリで、マルタン・マルジェラのような人物や『Purple』のような雑誌の登場によって、「ファッション」が「アート」に影響を与える化学反応が起こる現場を目の当たりにしてきました。
林氏は「ファッション」と「アート」の等価性、ファッションの概念を拡張する「ファッション/アート」の領域を現在理論的に研究しています。
今回は林氏の2011年の書籍から生まれた「拡張するファッション」展(2014年)に出展作家として参加した、ファッションを通じたコミュニケーションを創造する美術家の西尾美也氏をお招きし、編集や教育現場、アートプロジェクトから「創造的な対話としてのファッション」を創り出すことについて、活動の実例のプレゼンテーションを含め、対話をしながらその本質を掘り下げていきます。
Tokyo Fashion Dialogosは、多彩なゲストを招き、ゲスト同士の対話を通じてファッションへの思考を深めていく場です。
二人の対話から浮かび上がる、ファッションによる関係性の創造とはどのようなものか、Tokyo Fashion Dialogosでの知的な思考の交流をお聞きください。
リアルタイム参加者の声
「自分が記録しなければ誰かやるのか!?と思いながら、執筆に向かう姿はあっぱれですし、本当に大切な存在と感じました。」
「本にはならない、あるいは本の中から読みきれないメッセージのようなものが、トークから得られました。批評の場や機会の難しさ、必要性、ではどうしていくべきなのか。思索のきっかけをいただきました。」
「流行からではなく、社会の関係からみたファッション、またはファッションからみた社会の関係は、わたしたちの衣服や人間関係について問い直すきっかけを与えてくれるものだと思った。流行がSNSから生まれ、衣服の視覚的要素だけでファッション産業が動いているように感じるが、この御三方はそれぞれの目線で、衣服の内面に宿るもの、または、ひとつの衣服を超えた関係性について思考を巡らせながら、問い、実践しつづけておられ、ファッションに内面や関係をもたらす存在だと思います。」
詳細は、アーカイブ視聴にて、皆さまのご視聴お待ちしております。
ファッションビジネス学会+10Y研究部会との共催になります。
登壇者プロフィール
編集者/ライター/キュレーター/リサーチャー
撮影 若木信吾
ICU卒業後新卒で1988年資生堂に入社。以来、2001年に退社するまで、花椿編集室に所属。フリーランスになってからは雑誌などに執筆するかたわら、02年に『here and there』を創刊。96年「Baby Generation」展や14年「拡張するファッション」展のように、出版物に端を発した展覧会の創出に携わってきた。 著書に『拡張するファッション』『つくる理由』、編著に『拡張するファッション ドキュメント』、訳書に『エレンの日記』などがある。2020年~2021年にロンドンのCentral Saint Martinsの修士課程でExhibition Studiesを学んだ。現在、London Collage of Fashionの博士課程進学へ向けて準備中。
西尾美也(にしお・よしなり)
美術家/博士(美術)
1982年奈良県生まれ。美術家。東京藝術大学大学院博士後期課程修了。博士(美術)。文化庁芸術家在外研修員(ケニア共和国ナイロビ)などを経て、現在、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科准教授。装いの行為とコミュニケーションの関係性に着目し、市民や学生との協働によるプロジェクトを国内外で展開。ファッションブランド「NISHINARI YOSHIO」を手がける。
http://yoshinarinishio.net/
モデレータープロフィール
ファッション研究者(美学)
https://researchmap.jp/shihoko_ansai
書籍紹介
林央子は、根っこから育てる庭師であり、世界の作り手たちのアーキビストだ。
――マイク・ミルズ(映画監督)
※本書は、DU BOOKSより本体2,300円+税で刊行されました。
ファッションやカルチャー、そして美意識などの価値観が大きく変わった90年代に、カルチャー発信の現場で何が起こったのかを、「花椿」の編集を通じて、時代と向き合ってきた著者が語る。
企業文化PR誌の先駆け、資生堂『花椿』の編集部を語った、はじめての本。
1988年資生堂に入社以来、2001年に退社するまで、『花椿』編集室に所属した林央子が、当時の名物編集長・平山景子氏やアートディレクターの仲條正義氏から編集のいろはを学んでいく過程や、国内外のクリエイターと交遊を深めた舞台裏と、そこから現代に通じるアートやファッションの紹介者として世界をリードするまでを綴る。
わかりやすさが要求される世界に対抗し、複雑さをとどめたまま、情報を伝えていくことができるのは「雑誌」だった。世界でも類を見ない企業文化誌に所属した著者が語る、新しい意識を伝えるための「編集」。『花椿』は、いつの時代も女性の声というものを重視していた媒体だった。
<目次>
プロローグ 日本の女性のための雑誌をつくる
1 自由への編集――『Purple』編集長エレン・フライスとの出会い
2 エレン・フライスとつくったシティ・ガイド
3 誌面づくりの背後で交わされた対話
4 あたらしい価値観――『CUTiE』が台頭した90年代
5 ヒロミックスと重ねた『花椿』の誌面づくり
6「リアル」が問われた時代にあらわれた、ジャパニーズ・ビューティー
7 都築響一さんの編集姿勢―― 誰も伝えないなら、自分が伝える場をつくろう
8 アルフレッドさんのスパイシーなニッポン談義
9 ガーリーカルチャーからスーザン・チャンチオロに出会う
10 自分が本当にやりたかった企画―― アメリカの若者文化をとりあげる
11 マイク・ミルズとその周囲に見つけたアートシーン
12 人への興味から企画が生まれる
13『拡張するファッション』の刊行、展覧会のキュレーション、そして、美術史を学ぶ―― ロンドン留学ノート
14 編集者から研究者へ―― ロンドン留学の意外なところで『花椿』と出会う
15 マーク・ボスウィックとワークショップ―― 非日常を日常へ転回する
16 新しさを希求する探究心がひらく雑誌
17 企業がファッションの力を借りる―― ファッションへの信頼
18 パリコレと私
19 刺激を受けた写真家たち
20 マルタン・マルジェラと『花椿』
21 物質文化を超えて。時代の変化のきざしを、ファッションから見つける
22 ルールに小さな「no」を重ねていくことが、私の編集
23 異文化で生きる女性たち―― ブレスとの出会いを通じて
あとがき 表紙制作や撮影の現場を振り返って
日時
アーカイブ視聴 ~2023年12月31日まで
リアルタイム開催 2023年5月21日
会費
アーカイブ視聴
アーカイブ視聴券 1,500円
※リアルタイム参加者オンライン視聴券と同じ金額になっております。
会場
オンラインでの開催となります。
※イベント視聴ページの「主催者からのお知らせ」の欄に視聴用のパスワードが記載してあります。
お申し込み先
お申し込みはこちらから
お申し込みはPeatixにて承っております。
※申し込まれますと払い戻しはできませんので、ご了承くださいませ。
※アーカイブ視聴はPeatixのみの対応となっております。ご了承くださいませ。
【オンライン講座 ご参加に伴う注意事項】※必ずお読みください
(お申込みを頂いた時点で、ご同意いただいたとさせていただきます。)
・オンライン動画の視聴方法・操作方法については、本イベントではサポートできません。
・インターネット接続環境が必須となります。ご利用のネットワーク環境によっては、映像が鮮明に見れない可能性がございますので、ご容赦ください。
・オンライン視聴できるURL、パスワードを他の方に知らせたり、SNS、ネットなどで公開しないようお願いします。
・オンライン視聴の録画・録音、画面をスクリーンショットや撮影等をすることはご遠慮ください。
装談®|Tokyo Fashion Dialogosは、対話を通じてファッションへの思考を深めていく場です。
装談®027|Tokyo Fashion Dialogos
ファッションは創造的な対話 『わたしと『花椿』』刊行記念トークイベント
主催:FashionStudies®︎
共催:ファッションビジネス学会+10Y研究部会
企画:篠崎友亮(FashionStudies®︎)
FashionStudies®︎は、ファッションを体系的に学ぶ「プラットフォーム:STUDIES」と、強度のあるファッション情報を発信する「メディア:MAGAZINE/PUBLISHING」を企画運営しております。
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