『日本からラグジュアリーブランドを送り出す』をテーマに、国際文化会館 講堂にてシンポジウムを開催します。
ラグジュアリーブランドは、ものづくり、文化、芸術、歴史の総合力で成り立っています。フランスは国の政策としてラグジュアリービジネスを行っています。日本は、今こそ、力をあわせて、「日本からラグジュアリーブランドを送り出す」の道筋をつけるときです。このシンポジウムがその一助となればと思い企画しました。
登壇者は、
繊維ファッション議員連盟事務局次長でエルメスジャポンで営業企画マネージャーを務めた山田美樹 環境副大臣。
『ラグジュアリー産業 急成長の秘密』著者で、ピエール=イブ・ドンゼ 大阪大学大学院経済学研究科教授。
三越伊勢丹ホールディングス社長を経て、2018年に羽田未来総合研究所社長についた大西洋氏、大西氏は、長年の小売り経験から「日本発のラグジュアリーブランドを作りたい」という思いを持つ。
30年、ヴィヴィアン・ウエストウッド、マルタン・マルジェラなど海外クリエイターを探すバイヤーの後、 日本のラグジュアリーブランドを創る活動を、東京ファッションデザイナー協議会を経て15年続けている野田謙志氏。
レクチャーとして、ピエール=イブ・ドンゼ 大阪大学大学院経済学研究科教授から、ラグジュアリービジネスの歴史をお話していただきます。
レクチャー内容
ラグジュアリービジネスは、1980年から90年にかけて、小規模のファミリービジネスから、コングロマリットへと統合し、グローバルなビジネスへ変容しました。(コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーよると高級消費財市場(ファッション、化粧品、時計、宝飾品、革製品、アクセサリー)は、2810億ユーロ(2019年)の規模を誇る。)ラグジュアリービジネスの1980年からの発展の過程をお話していただきます。
基調講演、レクチャー後、山田美樹氏、ピエール=イブ・ドンゼ氏、大西洋氏、野田謙志氏の4名によるフリーディスカッションを行います。
会場をお借りする国際文化会館の本館は、日本建築界の巨匠、前川國男、坂倉準三、吉村順三の三氏の共同設計の建物です。その本館は、「登録有形文化財」に登録されています。また、庭園は、岩崎小彌太氏が日本屈指の名造園家7代目小川治兵衛に作庭を依頼したもので、桃山時代あるいは江戸初期の名残りを留めている近代庭園の傑作と言われています。お越しになりましたら建物やお庭も是非ご覧ください。
みなさまのご参加お待ちしております。
※当日はトークの模様を撮影します。後日、その映像はアーカイブとして公開を検討します。公開できないこともあります。あらかじめご了承ください。
※オンライン中継は行いません。
登壇者プロフィール
環境副大臣
1974年3月15日東京都生まれ。東京大学法学部卒、コロンビア大学経営学修士(MBA)。
通商産業省(現 経済産業省)、内閣官房副長官補室を経て、ボストンコンサルティンググループ、エルメスジャポンに勤務。
第46回衆議院議員総選挙で東京1区(千代田区・港区・新宿区)から初当選。
第三次安倍改造内閣にて外務大臣政務官を務める。現在、当選4回。前自民党法務部会長。
https://miki-yamada.com/
ピエール=イヴ・ドンゼ(Pierre-Yves Donzé)
大阪大学大学院経済学研究科教授
スイス生まれ、ヌーシャテル大学人文学部卒業、同学にてPhD in human sciences (history)。京都大学白眉センター特定准教授ほかを経て、2015年大阪大学大学院経済学研究科准教授、2016年より現職。専門はグローバル経営史であり、時計産業、ラグジュアリー、ファッションなどについて多数の論文と書籍。
最新出版は『ラグジュアリー産業―急成長の秘密―』(有斐閣、2022年)
https://sites.google.com/view/donze/home
大西洋
羽田未来総合研究所 代表取締役社長
東京生まれ。1979年慶應義塾大学卒業。三越伊勢丹ホールディングス社長を経て、2018年6月から日本空港ビルデング取締役副社長、同年7月から羽田未来総合研究所代表取締役社長を兼任。羽田空港内外で新しい価値創造を目指し、地方創生、文化・アートの発信に力を入れている。
https://www.haneda-the-future.com/
野田謙志
アソシア研究所主宰
ワールドを経て、子会社オリゾンティに移籍。30年、ヴィヴィアン・ウエストウッド、マルタン・マルジェラなど海外クリエイターを探すバイヤーの後、 日本のラグジュアリーブランドを創る活動を東京ファッションデザイナー協議会を経て15年続ける。
登壇者4名からこのシンポジウムにむけてのコメントをいただきました。
なぜ日本からは世界的なラグジュアリーブランドが生まれないのか?日本の製造業ならではの『良いものを安く』という発想では、頑張れば頑張るほど価格が下がって利幅が薄くなり、自分の首を絞めることになります。発想を転換して、ブランド価値を高めて利益率を上げて効率よく稼ぐやり方に変えなければ、日本は国際競争の中でジリ貧になってしまいます。いま世界のファッション・ブランドの多くが注目している『サステナブル・ファッション』の観点から、日本発のスーパーブランドの可能性を探ります。業界の第一線の方々との対話を楽しみにしています。
山田美樹 環境副大臣
他の講演者の方々と、ラグジュアリー産業の本質や、グローバル市場における日本企業のチャンスについて議論するのを楽しみにしています。私の研究では、ラグジュアリー産業は、古いブランドを利用した新しい企業によって成り立っていることが分かっています。さらに、重要なのは、歴史や 伝統的なノウハウではなく、それらを活用して、強いアイデンティティとコア・メッセージを持ったグローバル・ブランドを作る能力である。これが、私が「ヘリテージ戦略」と呼んでいるものです。
ピエール=イブ・ドンゼ 大阪大学大学院経済学研究科教授
日本からラグジュアリーブランドをにつきまして。この課題については、自分自身何年も課題認識して参りました。そんな背景で、 今回このテーマにて議論できることに感謝申し上げます。日本は長いこと(現在でも)SCM(サプライチェーン)に大きな課題がありました。素材、モノ作り、商社、アパレル、デザイン会社、 コンサルなどプレイヤーが多すぎたことです。プレイヤーが多いとそれぞれがリスクヘッジをし、 コストの上昇になり、価格と価値のバランスが崩れることです。もう1点は日本人特有の積み上げ型価格設定にあります。 積み上げではなく、価値(バリュー)を主体的に認識し、価格設定することです。(良いもの、価値のあるものは、 積み上げではなく、主体的に価格設定する)その他、戦略的なブランデイングも課題ですが、実際に多くの素材、職人、デザインなどが、 日本から海外ラグジュアリーブランドに使われているという事実がすべてであります。
大西洋 羽田未来総合研究所 代表取締役社長
日本は、少子化や消費者の所得等、将来の経済発展に翳りが感じられます。日本市場だけで活動してきましたが、世界市場は伸びしろ大きいです。高級市場と低価格市場が二分化される今日この頃ですが、服飾雑貨市場でもラグジュアリーとファストファッションの上位3者を比べるとラグジュアリーの方が大きいです。現在、世界のラグジュアリー市場はフランスとスイスの独走状態です。イタリア、ドイツ、アメリカ(ロサンゼルス西部 ビバリーヒルズ周辺)が後を追っています。次世代の子や孫の為にも世界のラグジュアリー市場にトライすべきだと思います。ビジネスモデルとしてサステナブルないいものを安く売るのではなく、日本のハイテクノロジーやアルティザナルな職人を活かしましょう。
野田謙志 アソシア研究所主宰
放送日 2023年2月6日(月)
J-WAVE STEP ONE
Cheer up workers 11:45AM -11:50
https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/workers/8852.html
日時
2023年2月13日(月)18時~ 2時間ほど
・基調講演「日本からラグジュアリーブランドを送り出す」 山田美樹氏
・レクチャー「ラグジュアリービジネス史」 ピエール=イヴ・ドンゼ氏
・フリーディスカッション 山田美樹氏、ピエール=イブ・ドンゼ氏、大西洋氏、野田謙志氏
懇親会 トーク終了後~ 会場近く
会費
前売り Peatixにて 参加券 3,000円
(当日券もございます。参加券 3,500円)
※懇親会を希望の方は申込の際にご記入ください。懇親会参加は別途料金がかかります。
会場
国際文化会館 講堂(別館2階) 〒106‐0032 東京都港区六本木5‐11‐16
アクセス
都営大江戸線 麻布十番駅 7番出口より徒歩5分 (上り急勾配あり)
東京メトロ南北線 麻布十番駅 4番出口より徒歩8分 (上り急勾配あり)
東京メトロ日比谷線 六本木駅 3番出口より徒歩10分
https://www.i-house.or.jp/access.html
※定員になり次第、申し込みを締め切ります。早めの申し込みをお願いします。
※新型コロナウイルス感染症対策として、入場の際に、検温、手指消毒、マスク着用をお願いしております。
お申し込み先
お申し込みはPeatixにて承っております。※申し込まれますと払い戻しはできませんので、ご了承くださいませ。
Peatixがご利用できない場合は、「シンポジウム 日本からラグジュアリーブランドを送り出す 件」と明記していただき、下記のメールにてお問い合わせくださいませ。
contact@fashionstudies.org
※当日はトークの模様を撮影します。後日、その映像はアーカイブとして公開を検討します。公開できないこともあります。あらかじめご了承ください。
※当日は記録・広報等のため講座の模様を映像、写真で記録します。
シンポジウム『日本からラグジュアリーブランドを送り出す』
主催:FashionStudies®︎
共催:日本からラグジュアリーブランドを送り出す会
協力:ファッションビジネス学会
企画:篠崎友亮(FashionStudies®︎)
FashionStudies®︎は、ファッションを体系的に学ぶ「プラットフォーム:STUDIES」を企画・運営しております。
https://fashionstudies.org/about/
FashionStudies®︎は、動画を以下のチャンネルで公開しています。
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FashionStudies Official https://www.youtube.com/c/FashionStudiesOfficial
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