Think of Fashion Presentation 002

見(魅)せる脚/隠す脚―「脚(レッグ)」からみる女性ファッションと身体観の変遷

発表者:関根 麻里恵 (学習院大学大学院 博士後期課程)

2015年9月27日(日)18時開催

安部公房の小説『箱男』のなかに、こんな記述があります。

「いったいあの脚の、何がこれほどぼくをひきつけるのだろう。(中略)たしかに現代の衣服の構造からすれば、性器は胴よりも、脚に属していると考えるべきかもしれない。」(安部公房『箱男』新潮社、2008年、74ページ)

「脚(レッグ)」には、本来持つ身体的機能(=歩行行為)以外にも評価される点があります。それはセクシュアルな眼差しです。

足病医学博士のウィリアム・A・ロッシは『エロチックな足―足と靴の文化誌』(山内昶監訳、山内彰・西川隆訳、筑摩書房、1999年)のなかで、「男は昔から女性の身体的属性を評価するとき、下から足と脚、ついで胴体へとゆっくり見上げていく癖があった」こと、そして「男性の眼を滑り出しから励まし、うっとりと下から上への観光を完成させてやる」機能が女性の「脚(レッグ)」にはあることを指摘しています。皆さんはどう思いますか?

今回は、女性の「脚(レッグ)」を中心に、「見る/見られる」「隠蔽/露出」「フェティシズム」「誘惑」などのキーワードを用いて、主に20世紀後半から現代までの女性ファッションと身体観の変遷をみていきます。そのさい、脚にまつわる事例として2000年代後半ににわかにネット上で盛り上がった「ニーハイ/レギンス論争」を取り上げ、現代ではどのような眼差しが「脚(レッグ)」に向けられているのか、過去に集計したアンケートを元に検証・議論していきます。

※Think of Fashion Presentationは、ファッションやその社会現象を、学び研究している大学生・大学院生の発表の場です。

発表者プロフィール

関根 麻里恵(せきね・まりえ)
1989年埼玉県生まれ。日本女子大学 人間社会学部現代社会学科卒業(卒業論文『「魅せる」脚のセクシュアリティー「ニーハイ/レギンス論争」からみる覗き見行為とフェティシズム』)、学習院大学大学院 人文科学研究科身体表象文化学専攻 博士前期課程修了(修士論文『眼差されるフリークス ―撹乱される「正常」と「異常」―』)。
現在は同専攻の博士後期課程に在籍し、博士論文の執筆準備中。
学問領域は表象文化学、身体論、ジェンダー論、文化社会学、映画論。
ファッション批評誌『vanitas vol.02』(2013)に公募論文「リアルクローズ化する『マンガファッション』」掲載。

詳細

日時

2015年9月27日(日)18時00分~19時30分 
会、終了後、発表者を交えての懇親会を予定しております。

会費

前売1,500円(Peatixにて) 当日2,000円 

会場

服も作れるコワーキングスペース「coromoza fashion laboratory」
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-33-14 神宮ハイツ408
明治神宮前駅7番出口より徒歩1分
電話番号:03-6450-5560 URL: http://za.coromo.jp/

お申し込み先

contact@fashionstudies.org
「Think of Fashion Presentation 002 」
への参加の旨とお名前、ご連絡先(メールアドレス)、ご所属を明記してお申し込みお願いします。懇親会参加希望の方はあわせてお知らせ下さい。(懇親会は別途会費がかかります。)

※前売はPeatixにて承っております。前売で申し込まれますと払い戻しはできませんので、ご了承くださいませ。また申込メールもあわせてお願い致します。
前売はこちらから

前売お申し込み

Think of Fashion Presentationは
ファッションやその社会現象を学び研究している大学生・大学院生の発表の場です。

Think of Fashionは
人々の装いについての文化や社会現象などを考えていく会です。
http://fashionstudies.org/think-of-fashion/
上記のサイトに過去の回のことが載っております。