Think of Fashion® Study 004 スピンオフ02

トークセッション「MIKA TAMORI 心理的屈性」

登壇者: MIKA TAMORI(Visual artist) × 飯田高誉(スクール デレック芸術社会学研究所 所長/インディペンデント キュレーター)

2024年6月16日(日)14時開催

「Think of Fashion® Study 004 アート講座③ アニッシュ・カプーア 人間存在そのものに潜んでいる情動」の講師を務めたスクール デレック芸術社会学研究所所長で、インディペンデント キュレーターの飯田高誉さんが、Visual artistのMIKA TAMORIさんとトークセッションを恵比寿のスクールデレック芸術社会学研究所にて行います。そのトークセッションの受付をFashionStudies®(ファッションスタディーズ)で募集します。

このトークセッションはスクールデレック芸術社会学研究所にて開催している「MIKA TAMORI – Psychotropism」の展覧会の関連企画となります。

ファッションを学ぶ為にもアートの知識は欠かせません。

会場、オンラインでも受講できるハイブリッド形式での開催です。

みなさまのご参加お待ちしております。

オンライン配信においてファッションビジネス学会+10Y研究部会が共催します。

   
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展覧会の概要

MIKA TAMORI – Psychotropism

地上での負債に疲れはて、最後の喘ぎが終わったときに。熱の二日間!もはや形振りもかまわず(*)

MIKA TAMORIの作品は、あたかも地上的束縛から離脱しようとして真空状態における濃密な無のざわめきを呼び込もうとしているかのようだ。量子論によると真空は、空っぽの無の状態を保てず、短時間の間に彼方此方で素粒子が生まれては消えていく。つまり「無」の状態と「有」の状態との間で揺らぐことになる。TAMORIのパフォーマティブな制作過程の行為の結果として意味が粉々に解体され、それら散乱したイメージからあるベクトルへ向かって再生し無窮の運動体として新たに夥しいイメージ群が生成しキャンバスに蝟集されていく。 

作品タイトルは、”Psychotropism”と命名されている。この ”Psychotropism”とは、「心理的屈性」、つまり、自由に運動できない生物のある器官が、外部から刺激を受け、その刺激源に対して一定方向へ屈曲する性質であると定義されている。このMIKA TAMORIによる「心理的屈性」は、宇宙のあらゆるものを含めた世界が、無数のパラレルワールドに分岐していくという量子論の「多世界解釈」と通底している。あたかも原子や電子、光といったミクロ物質、そしてその一つの物質が同時に遍在し共存しているという量子論的アプローチによって絵画の存在理由を探求しているかのようである。

つまり、空間や時間のような連続体を、それが点であれ、空間や時間の延長の最小量であれ、原子から構成されていると考えられる。「線を無限に分割して、無限にたくさんの点を見い出せる」ことから「線が無限にたくさんの点からなっている」とは言えない。無をいくら足しても有にはならない。有がある以上、どこかに有の起源がなければならない。長さゼロの点から長さ一の線を作る事は出来ない。ゼロをいくら加算しても一にはならない。しかし線と線の交点として点を定義する事は出来る。それは、あたかも記号群(シニフィアン)の連鎖が意味(シニフィエ)によって停止されることなく展開していくかのようである。

そして、重層し交錯した作品イメージは、モーリス・メルロ=ポンティの「世界の肉」へ受胎されていく。メルロ=ポンティは、「私の身体は世界と同じ〈肉〉でできている」(『見えるものと見えないもの』)と述べている。つまり、人間は世界のあらゆるものと一体の存在で、例えば、右手が左手に触れるとき、右手が左手に触れるという感覚と、左手が右手に触れられるという感覚の二つを相互陥入し、主体が客体であり、客体が主体であるようという考え方を提示した。MIKA TAMORIの作品群は、まさに「世界の肉」と言えよう。

(*)ピエロ・パオロ・パゾリーニ パゾリーニ詩集『わが時代の信仰』四方田犬彦訳 みすず書房 2024 p.168

飯田高誉

会期 : 2024年5月15日(水)-6月22日(土)
開館 : 金・土・日 14:00-18:00
予約 : 水・木 info@sgurrdearg.com
休館 : 月・火
企画 : 飯田高誉(スクールデレック芸術社会学研究所 所長)
デザイン : 乗田菜々美
展示制作 : 小林丈人
撮影協力 : 幸田 森
スクールデレック芸術社会学研究所
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1丁目18-4 NADiff a/p/a/r/t 2F
開館:金・土・日 14:00-18:00
予約:水・木
休館:月・火
https://www.sgurrdearg.com/exhibitions/mika-tamoripsychotropism/
※ギャラリーはこちらのビルの2階になります
https://maps.app.goo.gl/7eFF1g1rXfJsnunn8?g_st=ic

   

登壇者プロフィール

MIKA TAMORI

鳥取県出身 文化服装学院、デザインカンパニー

2010年ー2016年
主にペインティングの製作、布を使った立体物などの作成。
ギャラリー、百貨店などでの展示、パフォーマンスなどの活動を行う。

2017年より、作品スタイルを変え作家として新たなキャリアをスタート。
2017 / 5月 / “The MIKA show”(パフォーマンス、ムービー)/ バンコク タイ
2018 / 1月 / “My Things” / (個展)/ 白白庵 / 東京 日本
/ 2月 / “tomorrow_n(h)ow show – 2.0” / (グループ展)Gallery Night / バンコク タイ
/ 2月 / “Don’t look at me” /(個展)/ Cartel artspace / バンコク タイ
/ 1月 / “Psycho-Graphy Plot” / (個展)/ Bangkok Biennial / バンコク タイ
/ 7月 / “Mind(e)scape“ / (パフォーマンス、colabolation)/ 大地の芸術祭 (with new-territories) /新潟 日本
2019 / 2月 / “Coding swarm voices“ / (パフォーマンス展示)LOW Fat Art Fest / バンコク タイ
2019 / 8月 / “It’s already happened” / New Territories _S/he with Mika Tamori & Štěpán Krahulec,
Max Unterfrauner, Helvijs Savickis
/ “LICHT LUFT SCHEISSE” / ベルリン=ボタニカルガーデンミュージアム / ベルリン ドイツ
2019 / 12月 / “Beast,Men & Bits/Liminal [Post-Degital-Age Curiosity Cabinet] New-territories / Mika Tamori / Vongsawat WONGKIJJALERD / 深圳市当代芸術与城市規劃館 / 深圳 中国
2020 / 11月 / “The_O_rems / 定理” / (個展) / CARTEL artspace/ バンコク タイ
2020 / 12月 / “UNDEFINED未定義” / (グループ展) / Kiyoshi art space / 東京 日本
2022 / 6月 / “One Face” / (グループ展) / roid works gallery / 東京 日本
2022 / 3月 / “Psychotropism#2” シドニー工科大学 にて滞在制作 / シドニー オーストラリア
2022 / 8月 / “ヴォイド オブ ニッポン ” / GYRE GALLERY / 東京 日本
2022 / 12月 / “Archeaology of a Retro-Future” / パフォーマンス / Foundation Pernod Ricard / フランス パリ
2023 / 9月 / La chambre des mémoires /Mondes Nouveaux/ ラ・デファンス / パリ フランス

飯田高誉
スクール デレック芸術社会学研究所 所長/インディペンデント キュレーター
1956年東京生まれ。フジテレビギャラリー(1980年〜90年)にて草間彌生を一貫して担当し作家活動歴のアーカイブ化を担う。東京大学大総合研究博物館小石川分館にて現代美術シリーズ(マーク・ダイオン、杉本博司、森万里子展)を連続企画。カルティエ現代美術財団(パリ)にてゲスト・キュレーション(杉本博司展、横尾忠則展)。「戦争と芸術—美の恐怖と幻影Ⅰ〜Ⅳ」展(京都造形芸術大学)シリーズ企画。コムデギャルソンの川久保玲の依頼によりアートスペース“Six”にて連続企画(草間彌生/橫尾忠則/デヴィッド・リンチ/森山大道/宮島達男/中平卓馬など)。第二回「堂島リバービエンナーレ:エコソフィア」展のアーティスティック・ディレクターを務める。京都造形芸術大学国際藝術研究センター所長、慶應義塾大学グローバルセキュリティ講座の講師などを務め、青森県立美術館美術統括監、森美術館理事、渋谷区立松濤美術館副館長を経て、現在、スクールデレック芸術社会学研究所所長。
主な著作に「戦争と芸術-美の恐怖と幻影」(立東舎、2016)、「文明と野蛮のアーカイヴ」(新曜社、2020)、共著に「アートと社会」(竹中平蔵・南條史生編著/東京書籍、2016)、「エッジ・オブ・リバーズ・エッジ──〈岡崎京子〉を捜す」(新曜社編集部 編、2018)、「パブリック・ヒストリー入門ー開かれた歴史学への挑戦」(菅豊・北條勝貴編/勉誠出版、2019)など。
スクール デレック芸術社会学研究所 https://www.sgurrdearg.com/

飯田高誉さんが講師を務めた「Think of Fashion® Study 004 アート講座③ アニッシュ・カプーア 人間存在そのものに潜んでいる情動」のアーカイブ視聴も受け付けております。詳細はこちらから https://fashionstudies.org/studies/think-of-fashion-study-004/ 
   

   

日時

2024年6月16日(日)14時~ 1時間ほど
※延長する場合がございますが、自由にご退出可能です。

会費

会場&オンライン 無料

会場は若干名募集

応援枠を設定させていただきます。応援枠は、運営資金にさせていただきます。応援していただけましたらとても嬉しいです。
応援をいただきましたらFashionStudies®の告知ページに応援として記名させていただきます。(応援いただきましたら記名の有無を確認させていただきます。)

会場

会場
スクールデレック芸術社会学研究所
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1丁目18-4 NADiff a/p/a/r/t 2F
※ギャラリーはこちらのビルの2階になります
https://maps.app.goo.gl/7eFF1g1rXfJsnunn8?g_st=ic

オンライン
ZOOMウェビナーを使用します。

お申し込み先

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contact@fashionstudies.org

※定員になり次第、申し込みを締め切ります。早めの申し込みをお願いします。
※講座の録画・録音はご遠慮ください。
※当日は記録・広報等のため講座の模様を映像、写真で記録します。その記録をウェブにて公開することもあります。
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※ご来場にあたり、新型コロナウイルス感染症対策として、発熱、咳などの症状がある場合は事前に医療機関にご相談いただき、指示に従ってください。また、手指消毒、任意でのマスク着用など、ご理解ご協力をお願いいたしま

   
トークセッション「心理的屈性」
主催 スクールデレック芸術社会学研究所

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