50年前の人たちがどのような服を着ていたか。
40年前のデザイナー達がどのような服を作っていたか。
これまで、美術的価値を有するもの以外では衣服が史料として収蔵・保管が充分に進められたとは云いがたい。
そのため、歴史を調べようとする場合には、多くの人が雑誌や新聞、書籍や写真等を参考にしようとするだろう。雑誌や新聞のデジタルアーカイブ化が進展した現在では、検索ワードを入力するだけで、当時の様子を大まかにつかむこともできる。
しかしながら、これらの「史料」は当時の服について書かれたものにすぎない。実際に50年前に着られていた服や40年前につくられた服を手に取り調べることができたら、より詳細に当時の様子を理解できるのではないだろうか。
現時点で過去の服を手に取り調べることは容易ではないが、これを可能にするための試みが文化学園ファッションリソースセンターに所蔵された実物資料を対象になされている。
今回は、その取り組みについての報告を実施し、その後、実際に文化学園ファッションリソースセンターを見学したうえで、取り組みの可能性について議論していく。
13:05~14:25
「文化学園ファッションリソースセンター所蔵資料の研究利用促進にむけた取り組みについて」
報告者
田中直人(文化学園大学 和装文化研究所 准教授)
中村弥生(文化学園大学 和装文化研究所 研究員)
14:30~15:00
文化学園ファッションリソースセンター案内
上田多美子(文化学園ファッションリソースセンター センター長)
15:10~16:10
パネルディスカッション
「文化学園ファッションリソースセンターの所蔵資料の特徴、および、展示・研究等への利用可能性について」
登壇者
上田多美子(文化学園ファッションリソースセンター センター長)
田中直人(文化学園大学 和装文化研究所 准教授)
司会:工藤雅人(文化学園大学 服装学部 助教)
「文化学園ファッションリソースセンター所蔵資料の研究利用促進にむけた取り組みについて」
文化学園大学では、平成20年度より文部科学省指定の「服飾文化共同研究拠点」を運営している。共同研究の機会の創出にはその前提として、資料の相互閲覧が可能であること、つまり研究者間で資料情報の公開と共有が簡便にできる環境が求められるのであり、同拠点にはその整備の為の方策提示が期待されている。
また同拠点では並行して、平成27年度より、文化庁委託による「アーカイブ中核拠点形成モデル事業」にも取り組んできた。同事業では国内各所に所蔵される服飾分野の関連資料を一括把握し、研究者による効率的な利活用に供することを目的に、3年にわたる実地調査と手法検討をおこなってきた。これら活動を通じて、「資料情報の相互閲覧環境」(アーカイブ)の拡充にはデジタルデータを基盤とすることが有効であることの確認と、それを実現すべく乗り越えねばならない諸課題の抽出をおこなうことができた。
本報告では、同事業を通じて得られた知見をもとに、学園内収蔵資料の研究利用促進を目指した未整理資料の調査と情報公開の手法について、試案の提示をおこないたい。また、この試案に基づいて進めた幾つかの調査の中から、とりわけ戦後から現代にかけての貴重な資料群である、文化学園ファッションリソースセンター所蔵資料に関する成果について紹介したい。
日時
2019年2月16日(土)13時~16時10分
会費
無料
会場
文化学園ファッションリソースセンター視聴覚講義室
〒151-8523 渋谷区代々木3-22-1 F館B1階
TEL 03-3299-2181
https://www.bunka.ac.jp/frc/
お申し込み先
お申し込みはPeatix及びメールにて行っております。
contact@fashionstudies.org