ファッション界の生ける伝説にして永遠のアンファン・テリブル、ピエール・カルダン。
メゾン創立から64年、91歳の今もなお現役のデザイナーとして創作に取り組む。斬新なフォルムを生み出す布の魔術師、プレタポルテを手掛けた初のクチュリエ、ライセンスビジネスの先駆者、共産圏に初めて進出したラグジュアリーブランド……。
初尽くしで語られる広範な活動において、カルダンが目指したのは「明日のイメージを創ること」である。その根底にはクリエーションの民主化という確固たるヴィジョンがあった。カルダンの創作活動をたどりながら、彼が果たした功績と現代的意義について考える。
「クリエーションが贅沢品、つまり一握りの人のためのものから出発したとしても、その使命は数多くの人々のライフスタイルを変えることにある。」ピエール・カルダン
井伊 あかり(いい・あかり)
1975年富山県生まれ。パリ第一大学DEA課程修了、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。ファッション雑誌の編集・翻訳を経て、跡見学園女子大学、早稲田大学非常勤講師。専門は服飾文化、表象文化論。
共著に『ファッション都市論』『ファッションは語りはじめた』『相対性コムデギャルソン論』、訳書に『モードの物語』がある。
1975年富山県生まれ。パリ第一大学DEA課程修了、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。ファッション雑誌の編集・翻訳を経て、跡見学園女子大学、早稲田大学非常勤講師。専門は服飾文化、表象文化論。
共著に『ファッション都市論』『ファッションは語りはじめた』『相対性コムデギャルソン論』、訳書に『モードの物語』がある。