1972年にピンクハウスをスタートさせた金子功(1939-)は、昨今のロリィタ・ファッションやガーリー・カルチャーに影響を与えたデザイナーとして知られている。
リボンやフリル、ピンタック、プリント柄といった金子が考える「女の子なら誰もがかわいいと感じるもの」を凝縮して作り出される服の数々は、いつまでも純粋無垢な少女でありたいと願う女性たちの憧れであり続けた。そしてそれは、ヨーロッパの前近代的な田園風景を連想させるロマンチックなイメージと共に、『アンアン』や『装苑』『オリーブ』といった当時のファッション誌に取り上げられたのである。
そうしたロマンチックなイメージが浮上した社会的経緯と、少女的スタイルの魅力について紐解く。
金子功とピンクハウス。
それは、前衛的なモードに傾倒して語られることが多い日本ファッションの、もう一つの物語である。
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菊田 琢也(きくた・たくや):
1979年山形生まれ。縫製業を営む両親のもと、布に囲まれた環境のなかで育つ。2003年筑波大学卒。在学時にファッション研究を志す。その後文化女子大学大学院博士後期課程を修了(被服環境学博士)。現在、文化学園大学・女子美術大学他非常勤講師。専門は文化社会学(ファッション研究)。
近著に「装飾の排除から、過剰な装飾へ「かわいい」から読み解くコムデギャルソン』(西谷真理子編『相対性コム デ ギャルソン論』フィルムアート社2012)「やくしまるえつこの輪郭 素描される少女像」(『ユリイカ』第43巻第13号、青土社2011)など。
1979年山形生まれ。縫製業を営む両親のもと、布に囲まれた環境のなかで育つ。2003年筑波大学卒。在学時にファッション研究を志す。その後文化女子大学大学院博士後期課程を修了(被服環境学博士)。現在、文化学園大学・女子美術大学他非常勤講師。専門は文化社会学(ファッション研究)。
近著に「装飾の排除から、過剰な装飾へ「かわいい」から読み解くコムデギャルソン』(西谷真理子編『相対性コム デ ギャルソン論』フィルムアート社2012)「やくしまるえつこの輪郭 素描される少女像」(『ユリイカ』第43巻第13号、青土社2011)など。