2000年以降の英語圏におけるFashion関連の出版状況を振り返ってみると、デザイン技法やMDなどのビジネス実務に関連する書籍以外に、Fashionの文化・社会的側面に注目するアカデミックな関心の拡がりを反映する以下のような書籍が増えていることに気付かされます。
”Fashioning Memory: Vintage Style and Youth Culture”(2015)
『記憶のファッション化:ヴィンテージスタイルと若者文化』
”Fashion Design for Living”(2015)
『生活のためのファッション・デザイン』
”Lady Gaga and Popular Music: Performing Gender, Fashion, and Culture”(2014)
『レディ・ガガとポピュラー音楽:ジェンダー、ファッション、文化を演じる』
”Fashion on Television: Identity and Celebrity Culture”(2014)
『テレビとファッション:アイデンティティとセレブ・カルチャー』
”Globalizing Beauty: Consumerism and Body Aesthetics in the Twentieth Century”(2013)
『美のグローバリゼーション:20世紀の消費者主義と身体美学』
”Visibly Muslim: Fashion, Politics, Faith”(2010)
『見えるムスリム:ファッション、政治、信仰』
”Fashion as Photography: Viewing and Reviewing Images of Fashion”(2008)
『写真としてのファッション:ファッション・イメージの考察』
これらのタイトルからは、ファッションの記憶、ファッション・デザインの社会的意義、ポピュラー音楽との結びつき、メディアとの関係、グローバリゼーションと美的消費、宗教・政治の反映、ファッションのイメージ性など、従来に増して、Fashionと文化・社会的要因との関係性を探ろうとする傾向の拡がりを指摘することができます。
この会では、国内では見られないこうした文献を紹介することで、Fashionへのアカデミックかつ多様な視点、および探求スタイルや相互の関連性などにも触れながら、海外における”Fashion Studies”の拡がりを概観するシリーズを目指しています。”Think of Fashion®”への新たな刺激剤となることを期待しています。
*和訳タイトルは、講師による
講師プロフィール
神戸松蔭女子学院大学教授。芸術学修士。東海大学、神戸芸術工科大学、筑波大学を経て2007年から現職。現在は幕末維新期の洋装化最初期におけるフランスからの男子服意匠の導入の歴史について調査(科研費海外学術調査)している。
菊田 琢也
文化学園大学服装学部・女子美術大学芸術学部ほか非常勤講師。被服環境学博士。専門は、文化社会学/ファッション研究。共著に、西谷真理子編『相対性コム デ ギャルソン論』(フィルムアート社2012)など。2015年よりWebマガジン「FASHION STUDIES」の編集も務める。
日時
2016年9月25日(日)18時00分~20時00分
会費
一般 前売3,000円(Peatixにて) 当日3,500円
学生 前売1,500円(Peatixにて) 当日2,000円
会場
服も作れるコワーキングスペース「coromoza fashion laboratory」
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-33-14 神宮ハイツ408
明治神宮前駅7番出口より徒歩1分
電話番号:03-6450-5560 URL: http://za.coromo.jp/
お申し込み先
contact@fashionstudies.org
「Think of Fashion® 040 Fashion Studiesの現在」への参加の旨とお名前、ご連絡先(メールアドレス)、ご所属を明記してお申し込みお願いします。
※前売はPeatixにて承っております。前売で申し込まれますと払い戻しはできませんのでご了承くださいませ。また申込メールもあわせてお願い致します。
企画:篠崎友亮(FashionStudies®)
Think of Fashion®は人々の装いについての文化や社会現象などを考えていく会です。
http://fashionstudies.org/category/think-of-fashion/
上記のサイトに過去の回のことが載っております。