映画のなかの登場人物たちが魅力的に映るのは、そこに登場する俳優たち自身の魅力ももちろんですが、キャラクター造形とストーリーをより豊かに演出するファッションがその一端を担っているといっても過言ではないでしょう。
映画のなかのファッションはしばしば、俳優たちのイメージと重ねられることもあります。例えば、ふわっとした白いワンピース姿といえばマリリン・モンロー(1955年『七年目の浮気』)、タイトな黒いワンピース姿といえばオードリー・ヘップバーン(1961年『ティファニーで朝食を』)など、枚挙にいとまがありません。このように、かつては映画と俳優のイメージとファッションは密接な関係にありました。とりわけ、スタジオ専属の衣裳デザイナーによって注意深くコントロールされていた60年代半ばまで、それが顕著でした。しかしながら、スタジオ・システム(1920年代に確立されたハリウッド独特の製作方式)の崩壊、そして「ニュー・シネマ」が登場する60年代後半になると、その様相も変化していきます。
今回は、スターがスター足らしめた時代(1910〜60年代)と「ニュー・シネマ」以降(1960年代後半〜現在)と大きく二つに分け、特筆すべき映画の具体例を交えながらその変遷をみていきます。また、映画のなかの俳優とファッションの関係性、そこに描き出されていた理想の男らしさ・女らしさ、そしてそれらを見る観客の眼差しについて皆さんと考えていきたいと思います。
講師プロフィール
1989年埼玉県生まれ。日本女子大学 人間社会学部現代社会学科卒業(卒業論文『「魅せる」脚のセクシュアリティー「ニーハイ/レギンス論争」からみる覗き見行為とフェティシズム』)、学習院大学大学院 人文科学研究科身体表象文化学専攻 博士前期課程修了(修士論文『眼差されるフリークス ー撹乱される「正常」と「異常」ー』)。現在、同専攻博士後期課程在籍。
学問領域は表象文化学、身体論、ジェンダー論、文化社会学、映画論。
ファッション批評誌『vanitas vol.02』(2013)に公募論文「リアルクローズ化する『マンガファッション』」掲載。Think of Fashion® presentation 002(2015)にて「見(魅)せる脚/隠す脚―『脚(レッグ)』からみる女性ファッションと身体観の変遷」発表。
詳細
日時
2016年8月27日(土)19時00分~20時30分
会費
一般 前売2,500円(Peatixにて) 当日3,000円
学生 前売1,500円(Peatixにて) 当日2,000円
会場
服も作れるコワーキングスペース「coromoza fashion laboratory」
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-33-14 神宮ハイツ408
明治神宮前駅7番出口より徒歩1分
電話番号:03-6450-5560 URL: http://za.coromo.jp/
お申し込み先
contact@fashionstudies.org
「Think of Fashion® 039 銀幕のなかのスターとファッション」への参加の旨とお名前、ご連絡先(メールアドレス)、ご所属を明記してお申し込みお願いします。
※前売はPeatixにて承っております。前売で申し込まれますと払い戻しはできませんのでご了承くださいませ。また申込メールもあわせてお願い致します。
企画:篠崎友亮(FashionStudies®)
Think of Fashion®は人々の装いについての文化や社会現象などを考えていく会です。
http://fashionstudies.org/category/think-of-fashion/
上記のサイトに過去の回のことが載っております。