column 014

大江健(Coohemディレクター)

次世代の職人たち

ニットブランドCoohem(コーヘン)は、山形県の老舗ニットメーカー米富繊維株式会社の自社ブランドとして生まれた。
山形の工場の中で、60代ベテラン職人たちと20代の若き職人たちのチームでモノづくりをしている。

ブランドをスタートした5年前より都内の服飾専門学校を卒業した子が入社。
彼女たちは単身、見ず知らずの山形へ。

慣れない土地で不安も大きかったと思う。
くじけそうになることも多々あっただろう。
現場でベテラン職人たちと肩を並べ、ひたむきに、あきらめずモノづくりと向き合ってきた。

時は流れ、彼女たちの汗と涙の結晶は、パリの展示会で世界中のバイヤーに評価をされる。

職人とは「頑固」で「寡黙」なイメージが一般的だが、「次世代の職人たち」は、ファッションが好きで、商品を企画し、語学を使い、展示会で自ら接客もする。
工場で自らの手を動かしてモノを作りながら、商品の企画をする。
紡績工場、撚糸工場、染色工場、縫製工場など、協力工場さんの現場へ足を運び、その中で生まれた「ひらめき」をモノづくりに反映する。

今では珍しくなってしまった、「工場」でデザインをするということ。
小さいブランドだが、とても大事にしていることです。

Coohemはそんな「次世代の職人たち」の手によって、培われた歴史と技術の上に新しい時代のファクトリーブランドとして進化し続ける。

大江健(Coohemディレクター)
2015/5

   
Coohem:
山形県の米富繊維が展開するニットブランド。Coohem(コーヘン)は、ニットの世界で云う「交編(こうへん)」に由来する造語で、ニットテキスタイルという素材の持つ無限の可能性を追求するブランドとして2010年FALL&WINTERよりスタート。
Webサイト: https://coohem.jp
Blog: http://coohem-blog.tumblr.com
Facebook: https://www.facebook.com/Coohem