時代の只中を生きている“生活者”が何を感じ、求めているのか。マーケットやトレンドの変化を読み解くためには、生活者の“気持ち”に照準を合わせ、暮らしの変化を捉えることが重要です。今回は、伊藤忠ファッションシステムの知見を基に、生活者視点で時代の変化を読み解くためのポイントとともに、具体的な分析の事例を紹介します。
セッション①「マーケット&トレンド分析の基本視点」[4月5日(日)18時~]
私たち一人一人が生活者であるということを認識し、自身が日々感じている実感や違和感を客観的に捉えることが、時代の変化をキャッチするための大切な出発点です。「世代」、「見た目」、「気分」をキーワードに、そのための基本的な視点を紹介します。
*受講に際して、事前に簡単なアンケートを生活者調査の対象者になったつもりで、答えていただきます。詳細は申し込まれた方にお伝えします。
セッション②「ファッションマーケットの変化とこれから」[4月12日(日)18時~]
現在のマーケットにはどのような変化が起きているのでしょうか。セッション①で共有した視点に基づき、ファッションをめぐる時代の方向性を具体的に読み解きます。
世の中は今、大きな変化の渦中にあり、従来の思考枠組みでは世の中を面白くしていくような新たな動きを生み出せなくなってしまっていることも事実です。今回は知識を共有するだけでなく、これからのファッションとマーケティングについて、皆さまと共に考える時間にしたいとも思っています。
皆さまの受講をお待ちしております。
講師プロフィール
伊藤忠ファッションシステム㈱ ナレッジ室
2008年一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了、2014年より博士後期課程在籍。
2008年伊藤忠ファッションシステム(株)入社。生活者のライフスタイルやファッショントレンドのリサーチ・コンサルティング業務に携わる。現在は主に会員制マーケティング組織「ファッションアスペクトクラブ」の運営、生活者知見の開発・対外発信を行っている。
レポート①
4月5日(日)18時〜20時、Fashion Biz Study 004 ファッションビジネスの為の「トレンド分析の視点」と「マーケットの捉え方」 セッション1「マーケット&トレンド分析の基本視点」を開催しました。
講師の伊藤忠ファッションシステム株式会社 中村ゆい氏より、時代の只中を生きている“生活者”が何を感じ、求めているのか。日々の生活の中でマーケットやトレンドの変化を感じ取るためのヒントをシェアしていただきました。
はじめに伊藤忠ファッションシステム株式会社が捉える「ファッション」はアパレルに限定されず、広義のファッションであること、そしてその定義をお話しくださいました。今回のプログラムでもアパレルに限定せずに、広く時代の変化をキャッチするための基本的な視点を「世代」「見た目」「気分」をキーワードにワークを交えながら学びました。
プログラムの中で、「自分もひとりの生活者であって、サンプルの一人。自分の感じていることを分析することが出発点である」というお話しがありました。
ハッとしました。
周りの人、世の中の人の変化をリサーチするのと同時に、自分自身の変化を見つめることでも情報が得られます。当たり前のようで見過ごしていた視点だと思いました。
ワークではグループに分かれて、ファッション、ブランド、街、住まい、デザインなどの写真を、ファッションタイプ別(エレガンス、ナチュ男、ギャル、ギャル男、マルチミックスなど)に、分類しました。実際に写真を見て、考えて、グループの方と意見交換しながら手を動かすことで、みなさんの理解が深まったようでした。
プログラムの最後には、中村さんに受講者の方からの質問にお答えただきました。また終了後も、個別にお話しをされたい方に丁寧にご対応いただきました。
ご受講いただきましたみなさま、ありがとうございました。
レポート②
4月12日(日)18時〜20時、『Fashion Biz Study 004 ファッションビジネスの為の「トレンド分析の視点」と「マーケットの捉え方」セッション2 「ファッションマーケットの変化とこれから」』を開催しました。
2010年代も半ばとなり、2020年へ向けて、ファッションの価値が再考される今、どういった方向へ向かっているのか。講師の伊藤忠ファッションシステム株式会社 中村ゆい氏より、セッション1のおさらいも含めて、これまでの流れをあらためて把握するところからスタートしました。
2015年以降に向けた視点のなかで、インターネットによって、生活者の志向や行動の複雑さが改めて明らかになったと言われる昨今は、人を一面的に捉え、アプローチする手法は通用しなくなったとのコメントが印象的でした。
そして、時代を象徴する雑誌として「mer」が取り上げられました。これまでのファッション雑誌の枠組みを超えて、イベントなどで読者やモデルが集まり、直接触れ合あい、コミュニティを作り上げている、「コミュニティ雑誌」として20代の支持を集めています。消費ではモノよりもコトが当たり前になる中で、さらに魅力的なヒトの存在が重要な点とのことでした。
プログラムの最後には、受講者の方々から積極的な質問が相次ぎ、予定時間を少しオーバーして終了となりました。
ご受講いただきましたみなさま、ありがとうございました。
レポート作成 Baby, I love you 小澤恵